Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

「地理総合」・「歴史総合」のポイント

2022年から導入の「地理総合」・「歴史総合」に関して
まだどなたも話していない
重要なポイントを指摘しておく。

(特に「地理総合」に関して)

たぶん
「新教育課程」や「新教科」を検討している
学者の先生には絶対分からない
現場感覚からの意見

現場導入にあたって
以下に示す視点は
今まで現場で数々の辛酸を嘗めてきた
(世界史必修・日本史必修のなか地理廃止など)
地理教師として
今の時点から
発信しておきたい。
今回、せっかく「必修」として導入される
「地理総合」が
まっとうな形でスタートするためには不可欠な視点である。

視点①
「地理総合」は高校1年次に履修する、
高校生全員が地図帳を持つ事になる。
しかしスタート時点での知識は中学校までのものであり、
その知識を再構築することと、
そこまでの学習内容との接続が大きなテーマとなる。
(「歴史総合」も!)
だから、最初の授業には
中学校の時の教科書持参で参加かな!

視点②
一般に徒歩圏内で通う中学校とは違い、
通学圏が拡大する高校段階では
さまざまな「地域」で育まれた「個性」との出会が待っている。
今日学校生活への適応で困難な生徒も増加している。
安心安全な学習集団づくりという点でも
必修科目としての「地理総合」の役割は軽視できない、
ここに対話的な学びを組み込んでおくことは
その後の学校生活全般に関わる基本的対人関係の構築と結びつく。
これは新入生の担任をしているととても大切なポイントである。
(同様に「歴史総合」でもこれは可能!)

視点③
一般に自分を育んできた地域のことを学ぶのは高校までであり
進学等で地元地域を去る場合
地域を学ぶ、
最初で最後の場となるかも知れない。
地域の活性化を志望し
将来Uターンするとしても
ここでの学びは
大切なアンカーとなる
「地のもつ理屈」を理解し
「自分の背景にある地域」と
学校の位置する「地域」の差異は
「地域学習」の出発点となる。
(地域史という視点を持てば「歴史総合」でもこれは可能!)

視点④
例えば学校周辺や自分を育んできた地域の
新旧地図を見比べてその編成と社会的背景を繋げることで
多面的に他地域と比べたり、
防災・減災に関する知識や、
地域の課題を発見したり、
クラス→地域→国家→世界という
グローバルな視点の軸足を育むことができる。
行動に繋げられれる事も期待されている。
(「歴史総合」でももちろん可能)

視点⑤
「地理総合」の導入の学びは(「歴史総合」とともに)
すべての生徒のその後の、
社会科学習の「共通言語」(ベース)になる。

この様な議論や提案を
新しい地歴科目だけで無く
「公共」や他教科科目に照らし合わせて
進めるときが来ている。

時代の求める力
安心安全な学校・クラスに繋がる。

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本日はこどもの日

未来の高校生にとって

各学校の
クールベースドカリキュラムディベロップメント(SBCD)の思想で
カリキュラムをデザインすることが
全国各地の活性化に繋がる
そんな未来になって欲しい。