Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

「産業社会と人間」とキャリア教育

授業でのキャリア教育というと
私は最初に前任校の総合学科での「産業社会と人間」の事を思い描く。
 
~11年度 は商業高校で進学クラスを担当、ここが二校目の勤務先でした
 
そして転勤して三校目の学校でお世話になることに、
 
ここでは
農業高校からの学科改編の仕事につく
平成12~17年度 総合学科「富岳館高校」の立ち上げに携わる
 
・「産業社会と人間」という科目は普通科や専門高校の方にはあまりなじみのない教科だと思う。
・これは普通科専門学科に次ぐ第三の学科である「総合学科」の初年次原則履修科目
二単位の必修科目
・当時は教科書がなく、前例も少なかった
・内容は系統的・組織的な「進路ガイダンス」
・今でこそ「学習指導要領」で普通科での実施も好ましいとされているものだが
・当時この科目を実施しているのは県内でも一校
・全国でもまだ数えるほどだった。
 
この科目は総合学科においては柱になる
大切な教科だとあとで凄く良く分かるのだが
当時は
いったい何のために?
何をしたらよいのか?
授業なんだよね?
成績はどうやってつけるの?
総合学科の立ち上げの仕事の中で
かなりウェートと難易度の高い仕事となった
 
行き着いた先は
とにかくやってみる
答えは走りながら考える
一期生が入ってきて授業が始まる前に
教科書はないので、その代わりになる
「産業社会と人間」のワークブックと職員マニュアルを作る。
そして
誰もやったことのない授業が始まる
毎週木曜午後二時間連続
学年全体が入る部屋で時には一人で
時には職員チームで授業を進める
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その後
多くの総合学科が立ち上がっていく
やはり同じように
悩むのか
視察が相次ぐ
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私たちの「産業社会と人間」のコンセプトは
自分を知る・学校を知る・社会を知る
 
「一人ひとりの夢を育む」
をキャッチフレーズに
総合学科は授業を自分で考えて組み立てる学校
勤務校ではいくつかのセットメニューを
生徒に選ばせる方式
11月の系列選択に向けて
ガイダンスや体験
共有・振り返りが連続して続く
 
数年たって何となく形ができる
 
この内容は
リクルートのキャリアガイダンスに
一年間
特別連載されていく
 
「産業社会と人間」は
毎週その学年の担任全員と進路課・教務課・生徒課・管理職
そしてそれを束ねる事務局がタッグを組んで
計画に基づく系統立ったガイダンスを、組織ですすめていく
 
今までにはあり得ない科目となった
そして、同様に
二年生では選んだ系列ごとの総合的な学習
三年生では自分で選んだテーマでの課題研究へと進む
 
今振り返るともっと充実させることができたものはいっぱいある
しかし当時としてはこれがベストだった。
 
この中で発見したのは「話を聴く事」と「」書かせる事」の重要性
 
まともに前を向いて話が聞けなかった新学期頃とは代わって
 
総合学科一期生の「産業社会と人間」の最後の授業では
代表生徒に決意発表をしてもらったが
200人の
真剣に聴くまなざしと
メモをとる時間に
鉛筆を走らせる音
だけが
響き渡ったとき
 
私たち職員と
ゲストまでも
目頭が熱くなったのは今でも忘れられない
 
進路ガイダンスを授業として計画的・組織的に行うことを経験した
 
未熟でも良いから高校生が
進路についての知識を持ち将来について考え歩き始める
こんな内容を
 
「産業社会と人間」を取り入れていない高校では
普通教科の中で実現できないだろうか
私は今でも
そんな事を考えながら日々の授業を進めている
 
※11月となった 前任校では系列が決まった一年生の
立志式」今も続けているのだろうか?