普通高校におけるインターンシップの成果について
※ 複数年に渡る客観的なデータ分析から分かったことのみ記したものである。 n=1453
5. 平日の学習時間・・・タイプ別分析結果 [図3]
平日と休日の学習時間には相関関係が見られる。(例:22年度入学n288単相関係数 0.36)
②のタイプは1年の11月以降から学習時間は最も減少している。
(部活動のために学習時間が確保できない、疲れて自宅での学習に集中できない。とい う意見が多い。)
(部活動のために学習時間が確保できない、疲れて自宅での学習に集中できない。とい う意見が多い。)
③のタイプは最後の3年の6月に多少の逆転が見られるものの①のタイプと同じ部活動状況でありながら ほとんどの時期においてインターンシップに参加している①タイプより学習時間は少なくなっている。
④のタイプ の学習時間は少ない、2年生の秋頃~冬にかけてが成績面、精神的につらい時期と考えられ る、しかし部活動引退後の学習時間は飛躍的に伸びてはいる。
6. 休日の学習時間・・・タイプ別分析結果 [図4]
①のタイプは2年生の半ばに失速感がある。何らかの手当が必要と思われる。
②のタイプの失速感は①のタイプより早期にくる。
部活動のために学習時間が確保できていない。
③のタイプは①と同じ部活動状況ながら、インターンシップに参加している①より学習時間が増えることは無い。
④のタイプ は二年生の秋頃から休日の学習時間を増やしている。
平日・休日における学習時間を①と③、②と④で比較すると大まかであるが、インターンシップへの参加・不参加の差が確認できる。同じ部活動の活動状況にありながら③よりもインターンシップを体験した①が、④よりもインターンシップを体験した②の方が一般に学習時間は長くなっている。
当然、学習時間が長い者ほど成績は良好になる、ただしそのことを数値で確認できる ほどは高くは無い。(平日の学習時間に関しては22年度入学n288単相関係数0. 11程度、休日に関しては単相関係数0.13程度である。)
休日より平日の学習時間が長い者が外部模試の成績はよい。ただしこのことも数値で 確認できるほど高くは無い。(例:高めの数字を追ってみても19年度入学11月n324 単相関係数0.13程度である。)
第三章 本研究のまとめと今後に対する示唆
インターンシップへの参加が学習時間の変化に繋がっているのならそれは学びに対する意欲の変化で、満足度の変化は自己肯定観の向上に繋がっている。キャリア教育は普通科高校においても学ぶ意欲を高め学校生活に対する肯定感を高めている。
さらに、進路発達度において「進路設計」が高い者が外部模試でも上位者(例:22年度 入学n288単相関係数0.16)となっていることや、インターンシップ参加者のセ ンター試験における得点率は過去四年にわたりそうでない者より高くなっていること等学力向上や進路保証にも繋がっている。※9
※9 しかしその差は年々縮まってきている。
2. 分かった事と分からない部分
・キャリア教育の本格導入前の学年と後の学年の違いはデータがないためわからない。
・元々意識が高かった生徒とキャリア教育によって高くなった生徒の差異の確定。
・インターンシップの受け入れ先からの評価をどのように評価していくか。
・元々意識が高かった生徒とキャリア教育によって高くなった生徒の差異の確定。
・インターンシップの受け入れ先からの評価をどのように評価していくか。
・満足度や学習時間の変化は、学校における教育活動全体を通じて生徒一人一人に作用するものであり、
「インターンシップ」への参加のみがその結果を左右しているとは限らない。