Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

知識基盤社会化と教育  メモ

昨日の「国際化と教育」に引き続き 語り尽くされてはいるが「知識基盤社会化と教育」についての忘備録 メモ

 
 教育をかえなければいけない理由の1つはこのグローバル化ということ
もう一方で
知識基盤社会化が挙げられている。
 
 新しい知識情報技術が生経済文化を始め社会のあらゆる領域での活動の基盤としてその価値が飛躍的に高まる社会になっている
 (ダニエルベルの「知識社会への衝撃」脱工業社会など)

 

工業社会から次の段階へ


 「工業社会」は石油天然ガスといったエネルギーを使って大量に生産物を作るといった時代だった。多くの労働者は生産に直接関わりいかに生産性を向上させるかといったやり方や技術が重要だった。
 決まった時間に出社しマニュアル化された作業を手際よく進めることが大切だった。時給によって報酬も決められた。まさに「時は金なり。」
 製品の開発や改良は技師が自らの経験や実験から考え出した。こうした社会で重視されたのは生産に関わる機械をいかに有効に使うかといった概念だった。
 
 しかし、今日の、「脱工業社会」は教育・医療・社会・事業福祉といたサービスを提供する産業が多くの労働力を吸収する時代。専門職的サービスを提供する産業が重視される。科学者や技術者専門的技術者がコミュニケーションを通じて獲得される情報を知的な技術を使って扱うことが労働の主要な形式になる。知識は知識として価値があるだけでなく、新たな経済的な製品やサービスを生み出すことに対しても重要なもの(資源)となる。
 
 その改良や開発は、経験的な実験ではなく抽象的な理論を元にして行われる、だから知識をいかに有効に使うかがこの脱工業社会においては重要になる。
 
 脱工業社会は知識基盤社会。こうして「知識」の価値が飛躍的に高まりあらゆる行動の基盤として「知識」が重要となる時代で「知識」を適切に扱う技術がその社会で生きていく上で欠かすことのできない能力となる社会だ。
 そしてこれが現代社会の特徴でもある。
 
 
 (このような流れの中で次の世代にどの様な価値を身につけさせるべきなのか、そこから方向性を考えて行く必要が出てきている。)
 

「国際化」と「脱工業化」のうねりの中での各国教育改革の方向性

 
①修学前教育の段階
 全ての子どもがその後の学校教育や生涯学習に向けてしっかりとしたスタートが切れるよう質の高いプログラムを提供する。質の保障が求められている。
 
②初等中等教育の段階
 国民統合や次世代育成という点で教育機会を十分に公平に提供すること、適切な教育課程や教育内容を編成すること。教育の資を向上させること制度を効率的に運用すること。
 途上国では教育の普及が重視される。中先進国では既存の制度の見直しが進められており、今までの画一的な制度が現代社会に合わなくなってきている、ということから多様なニーズに対応した教育が求められている。
 特別に高い能力を持っている子どもに対する「才能教育」が求められている。
改革が上手くいくかどうかは教員の質にかかっていると考え、教員の資質向上も重視されている。教員の専門職化が注目されている。
 
③高等教育教育の段階
 知識を身につけることより多くの専門職を生み出すこと
 規模が拡大され多様性も認める代わりに評価はしっかり行うという方向、高等教育が国際的にも通用するレベルに高められる努力がなされている。
 

 多様な教育課題への対応

 既存の学校教育から生じた問題、校内暴力やいじめといった校内病理への対応
学校教育に適応できないのは家庭や子どもに問題があるという考え方から、学校の教育内容が果たして適切なモノか?という疑いのまなざしも向けられるようになった。問題そのものの解決も重要ではあるが、教育のあり方が適切なのか問い直されている。
 
 国際化に伴う人の動きの中で国内に多様な価値観を持った人が現れ始めている。
 
 学校教育の中でどの様な価値を教えれば良いのかということを問い直す時代になっている。
 

各国に課された3つの課題


 
①学校中心とした学びから生涯学習という考えに基づく学校教育の見直しがなされている。
②国際学力調査の実施で参加国が増えて、学力調査の結果が注目されるようになってきている。
ジェンダーの視点からの課題。先進国を中心にして教育の中での男女の扱い方について模索されている。
 
※その他として、モノや人が動く事によって生じてきている課題もある。

①  国際教育協力 途上国の格差是正、諸外国で共通に見られる教育問題を解決する。

②  国際化に対応した教育システムのあり方、既存の教育システムでは国際化に対応できなくなってきている。国際化の視点から各国の教育制度を整備したり国内にいる外国人の対応の必要が出てきている。教育内容の見直しも。
③  教育が国境を越えて動く事で生じる既存の教育システムの再構築
 外国の教育のあり方がそのまま取り入れられてくるという事が起こっている。
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