「興津」という町がある。
ここは、かつて2度首相を務めた
西園寺公望が70歳になった大正8年(1919年)から
20年その晩年を過ごした「坐魚荘」という別荘が残っている。
入館は無料 とても良く整備されている。
1階には和洋折衷の客間が有り
そこから繋がるサンルームの上部には
オパール色のステンドグラスがはめ込まれている。
冬の夕方に日が傾くと赤く輝く太陽光が覗き込む。
南側は開放的
今は、埋め立て地があるため海岸線はずっと南に移動しているが、
西園寺が住んでいた頃は目の前が海だった。
2階からも手作りの板ガラスを通しての眺望が得られる。
高齢の主を気遣って、水滴が垂れ落ちないように
浴室の天井はかまぼこ方
装飾にはふんだんに竹が使われている。
当時の要人の住居には「不足の事態」に備えて緊急脱出ルートが確保されていた。
この風呂場にも外に出られる扉がついている。
(2階の廊下は足音の響く鶯張、台所の床下にも緊急脱出口がある。)
2階の床の間
当時流行った疫病で娘さんを亡くしていた。