部活動の合宿で思うこと。
昨日2泊3日の部活動合宿が完了
部活動というと教員の働き方改革や
生徒の負担
健康・安全への配慮
金銭の明朗会計
理不尽な指導など様々な問題点が指摘されている。
さらに酷暑の中の合宿
熱中症対策は必須だ
数多くのリスクを払っても
本校の部活動の各顧問は合宿を続けている。
「同じ釜の飯を食う仲」
昔から言われているが
競技の練習だけではなく
生活を一緒にすることで
公共心や他者への思いやりに気がつく。
家庭ごとの生活習慣の違いマナーは違う
合宿ではお互いがこれを持ち合う。
合宿は大げさに言うと異文化との出会いだ。
生まれ育つ環境によって身についている習慣や身のこなし
=「ハビトゥス」habitusが持ち寄られ、形成される。
それは、掃除・起床・荷物の整理・洗面・洗濯等様々な場面で発見できるが
もっとも多くの発見があるのは
やはり食事のシーンだ。
食べ物の好き嫌い
食べる量
味付けの好み
食べる順番
そして食べ方
行事の精選・縮小化の中で
宿泊を伴う行事も減ってきている。
様々な要因で
大人数大部屋での宿泊からホテルの個室での宿泊に切り替わり
食事に関してはアレルギーへの配慮も必要なため
学校全体での行事では極力バイキング形式を選択することも多い
配膳や片付けを体験する機会もほとんど無い。
他人と寝食を供にする経験は貴重になっている。
部活動の指導がスリム化されると
こういった場面に接することは少なくなるだろう。
しかし部活動では
準備・配膳・片付けはもちろん
食べ方やマナーについても
アドバイスをする場面もある。
所属する集団の文化を察して
会食の際に手際よく行動できることは
どの文化においても必要なことだろう。
たかが部活動の合宿ではあるが
こういった機会はどんどん失われている。
「同じ釜の飯を食う」という言葉のなかには
単に食べ物を摂取したというだけではない
価値観の共有という概念が含まれている。
今後ますます、世界の各所で交流・協働していくことが求められる中で。
多様な社会での共存のための教育は
知識技術として学問を学ぶだけではない。
寝食を供にするのはとても単純なことではある。
ここから育まれる
最低限の素養
これは必須だろう。
合宿に関しては様々なアドバイスもいただくこともある。
日本の教育が培ってきた大切な価値の一部であると思うのだが。