受験を意識し始めるのはいつか?
卒業式の前の予行の日にここ三年間全く同じ質問項目でアンケートを取っている。
昨今入試改革の話題で、受験機会を複数回設け、二年次でも受験ができるといった話も出ているが。現場の高校生は実際今の制度でいつ頃から「受験」を意識しているのだろうか?
それに対するこたえの一つだと思われるデータ。
地方の公立高校なのでどうしても意識は「のんびり」しているのかもしれない。
たいてい、三年生の春くらいからスタートしているが、全員がスタートするのは学校祭やインターハイ・野球が終わってあたりからの様子。
三年間のデータで振り返ってみても年によって多少の違いはあるもののほぼ同様の傾向だ。
グラフのように1・2年次ではほとんどの生徒は「受験」はあまり意識していない。では、何をしているかというと大半の生徒は「部活動・学校行事」に打ち込んでいる。
「知識の活用」の場面が少ない、といわれる学校現場ではあるが、「受験勉強」よりも知識を活用する必要がある場は「部活動・学校行事」だったりする。
今進められている入試改革が単に受験の機会を増やして「受験時期の前倒し」というかたちになったら、こういった「知識の活用」の機会はなくなっていく。
入試改革が内容の変化を伴わない場合「知識の活用」の経験も無く「使えない知識」ばかり詰め込まれた状態が増えることになる。学んだことを使ってみる場面は時間もかかるし、一人一人のペースで進めるので効率も悪い。「成果やスピード感」を求められたとき、ここの部分は真っ先にリストラ候補になりそうだ。
受験産業やICTの普及で学ぶ方法や機会はどんどん増えている。しかし、部活動や学校行事といった「知識や技術を活用する場」が学校から減っていくということは問題ではないのだろうか?