Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

TeachingPortfolioのチャートづくりの研修をしてきました。

I have been training at the Teaching Portfolio chart at the University of Tokyo.
東京大学にてTeachingPortfolioのチャートづくりの研修をしてきました。
   ティーチング・ポートフォリオとは? 
 東京大学 大学総合教育研究センター栗田佳代子さんのページ
 
・・・・・・・・・・・今回WS案内より引用・・・・・・・・・・・・ 
「 自らの教育活動について振り返り,自らの言葉で記し, 様々なエビデンスによってこれらの記述を裏付けた教育業績につい ての厳選された記録」をいいます。

基本的な構造は、
-教育の責任(何をやっているか)
-理念(なぜやっているか)
-方法(どのようにやっているか)
-成果(どうだったか)
-今後の目標(これからどうするか)

自分の教育の「軸」はどこにあるのかを、「振り返り」と「対話」 によって明らかにしていくプロセスです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・引用終わり・・・・・・・・・・・・・・・
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どんなふうにつくるの?
 A3の紙と付箋
後はファシリテーターの指示に従って
ペアワークをしながら進みました。
基本的には自分で自分自身を振り返る時間が多いですが
途中でペアワークが入ります。
イメージ 4

 ※ 栗田さんの上記参照HPにPPTや用紙が添付されていますので
   具体的にはそちらを参照してください。 
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作ってみてどうだったの?
 発見①
 熱中しました、あっという間でした。
 一言で言うと「すっきり」しました。

 教壇に立たれている皆さんは特に共感できると思いますが
 私たちは日々本当に多くの仕事を並行処理しながら
 雑然と仕事・生活を送っています。
 そんな日々の中で
 「していることは何か?」「出来ることは何か?」「したいことは何か?」
   こういったことを考える時間は横に置いて
 ただ、目の前のどんどん積み重なる業務に追われている。
 いつしかオートメーションの機械の様に
 能率良く・滞りなく・上手く「流す」
 とにかく「流す」ことにばかり注意が注がれてしまっていて
 本当に見つめなければならない「何かを失っている」
 取りかかってみると
 とにかく「そこ」に気がつきます。

②ペアワークの魅力
 今回偶然ペアになった方が
 外国人に日本語を教えている方でした。
 日本語で外国人に日本語を教える。
 今まで海外でもお仕事をされていて
 渡航した国も50カ国
 自然と海外談義にも花が咲きました。

 この方の担当は
 日本に来て上級学校へ入学を希望している学生さんで
 1年間で合格を勝ち取るというなかなか厳しい制約の中で
 担任のように進路を支援していました。

 ペアワークの中で
 「昨年は全盲の留学生の支援をした」という話しをうかがいました。
 全盲で進学というと国内でもハードルは高い
 しかも外国人で
 異国に来て日本語
 その学生さんの国では
 全盲で生まれると職業の選択肢は数個に限られる
 だから日本に来てチャンスを広げたいとのこと
 これはすごい!

 2020年のオリンピック・パラリンピックでは
 多くのハンディキャップを抱えた外国人も日本を訪れる
 私たち自身もやがて歳を取って何らかの
 ハンディキャップを負うことになるかも知れない。
 日本でこの学生さんの夢が叶うことは
 世界に対して
 日本の在り方を示すことになる。
 今はたった一例に過ぎないけれど
 これは大きな一歩に繋がるかも知れない。

 普段追われる様に取り扱っている仕事の意味を
 可視化し話題にする事で
 発見が生まれる。
 これはどなたが経験しても
 価値あることだと思いました。

③世代間でスキルアップになる
 この研修をベテランと若手ですすめたら
 全国的に深刻化している
 ベテラン世代のノウハウ伝承にも繋がる。

 採用が減らされた時期が長く続き
 若手とベテラン層に二極化し中堅層が薄いのはどこの自治体でも
 深刻な問題になっている。

 若者は得意な技術と学習で難問に取り組み
 ベテランは今までの経験から難問を解決していこうとする。
 チャートをつくって特にはっきりするのは
 自分が何の為にこれをしているのかという「理念」の部分
 さまざまな研修に参加しても
 語られていないのがここだ。

 昨今は外部の機関や研究者から語られることが多いが
 最も身近にいて同じ環境で課題に直面している
 現場を供にする先輩から学ぶ
 後輩から教わるチャンスになる。

 何の為にベテランはそこにこだわるのか?
 後輩達は何をしようとしているのか?
 お互いなかなか見ることができない部分が覗け
 コミュニケーションが進む。

 自分1人でつくるのとは違い
 適宜対話が入って修正を重ねていく作業は
 内省を深める。
 
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 年度末3月のスタートというこのタイミングにこの研修に参加できたことは
 新年度に向けて「棚卸し」という点でグッドタイミングでした。

「書籍」↓ 
 ※ 栗田佳代子, 吉田塁, 大野智久 (2018) 「教師のための『なりたい教師』になれる本」学陽書房