Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

「進路ナビゲーション」

「合格することではなく,その先で何をやるかを目標に。」

 
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ここ8年間毎年自力で制作しているガイダンス用の冊子「進路ナビゲーション」より

 
 高校生の時期は、大人の社会の中でどう生きていくかという課題に出会う時期である。
 「新しい環境でうまく生活していけるだろうか。」「大学に進学できるだろうか。」そして「自分は社会に出て通用するのだろうか。」でも今は、「正直なところやっと高校生になれたのにそんな先のことは分からない。」というのが本音だろう。
 
  君たちが生まれた1997年頃、世間に携帯電話が普及し始めた。当時、多くのコンピュータがWin95で動き、本格的なインターネット時代に突入した。

 今では、携帯電話とパソコンのない生活は考えられない。IT関係の仕事に就いている人も実に多い。こうなることを15年前に予測できただろうか。
 この先の15年後、世の中がどうなっているかを想像するのは難しい、数年先の予測でも難しい。
 では、何も考えなくて良いのだろうか。今までは何も考えなくても「成功モデル」があった。しかし今は大企業であっても経営環境は苦しく、せっかく難関の資格を取っても就職がなかったり、公務員になっても先行きは不透明だ。「答え」は自分で考え出さなければならない。
 
 進路に向かって「進む力」は大切だけれども、進む方向を見定めて「舵を切る」ことはもっと重要になってきている。昨年卒業した生徒に「宇宙建築」を志した者がいた。掴みようのない進路に迷った末に彼は直接JAXAに問い合わせた。すると宇宙に関する仕事に就くのに高校三年生になって進路に迷っているようでは遅いという返事だった。高い山に登ろうと思えば当然、早くからの準備は必要となる。
 
  ではどこから考えていけばよいのだろうか。本校には至る所に先輩が残してくれた「足跡」が残っている。140年の歴史がある。開校時代から一つ上の先輩まで
 この地に刻まれた歴史を知り、学校を知り、自分を育んでくれた地域を知り、ニュースや新聞で社会を知ることから歩み始めよう。そしてこの先どこに向かって歩き出し、何をしたいのかぜひ自分の目で見て自分の足で歩いて学んで欲しい。
 便利な世の中になり、インターネットを利用すれば知りたいことをすぐ知ることができる。しかし、それだけでは奥行きや幅広い全体像が見えない。
 みなさんは新しくなった高校の教育課程の一期生でもある。教科書や教材そして入試に至まで全てが変化している。高校入試でも過去問や型どおりの復習だけでは苦戦したのではないだろうか。開拓者なのだ。過去から学ぶことも大切だが、自分で答えを探し歩かないと道は拓けない。「自分」というものを発見する作業にも取りかからなければならない。
 
 未来の自分をイメージし、希望を持ち、環境を整え、前向きに取りかかり、プラス思考で継続し、チャンスを掴むことが求められる。そのためには自己にとらわれることなく臨機応変にチェンジすることも必要になるだろう。自発的な学びは推進力となっていく。
 
 ゴールを見失わないためには、仲間と連絡を取り合い、絶えず情報を収集し、自分だけでなく地域社会のよりよい姿を考え続けなければならない。
 誰も見たことがないゴールを目指すときは、仲間同志でお互いを励まし合い、磨き合い、学び合うことが求められる。
 
 この冊子を利用して、積極的に考え行動して「できることは何か・したいことは何か・すべきことは何か」を深く掘り下げキャリアプランの組み立てに着手してみて欲しい。
 人は体験を通して経験を得ることができる。人生に役立つ経験は、自分の意志で決定し、責任を負い、努力し、結果を得る行程から、学んだことにより得られる。
 本校では「心と体と頭」のバランスを鍛えることができる。ぜひこの舞台から未来へ続く第一歩を力強く踏み出して欲しい。 
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