現勤務校に赴任してからもすぐキャリアガイダンスを始めた。
模索しながら各種体験や講話を結びつけ、
科学的な視点から計画的系統的なキャリアガイダンスに近づけてきたつもり。
創業は易く守成は難し
前任校で学んだことは「新しい事を始めるより続けてもらう事の方が難しい」ということだった。
前任校で学んだことは「新しい事を始めるより続けてもらう事の方が難しい」ということだった。
どんなにすばらしいイベントや実践でも単発では学校の教育力にはならない。多忙化が進む現在の学校現場において「無理をしないで、誰にでも続けられること」は大切な思想だ。いつかは誰かにバトンを渡さなければならない。総合学科で「産業社会と人間」や各種ガイダンスを立ち上げる時に、次にバトンタッチする人と一緒に実践し、「生徒が変わっていく様子」を共に体験、「実感してもらう」ことが継続の原動力であるということを学んだ。目的を共有すれば細かな方法は「次の人」に工夫してもらえば良い。教師は生徒の変化を通して実践の価値を認識するものだから。
進路指導は自己理解・職業理解から始まって、啓発的体験、進路相談、決定支援、追指導という6つの分野がある。「啓発的体験」はシンボリックな存在でガイダンスの中核を担うものである。ただしそれだけが単発で機能するものではなく前後の文脈に組み込む必要がある。労力もかかるので実施に関してはできるだけシンプルにして継続性を保ちたい。
以下似たようなことを以前にもアップしたことがあるが・・・
①誰がキャリア教育をするのか?
「先生にキャリア教育なんてできるのか?」という論調を目にするが、日々多角的に児童生徒・保護者に接し、その後の成長の様子を何百人何千人単位で知っている職業って教師以外他にあるだろうか?
就職・進学だけでなく、卒業後の生活の様子なども見聞きすることは教員ならではの体験だろう。キャリアは就職・進学だけの話ではない。次のステップにどのような学びを選択したらよいのか?学びの場は学校の外にも広がっている。教員は地元地域における活動や学習の情報に接することが多いのでデザインしやすいのではないか。
「先生にキャリア教育なんてできるのか?」という論調を目にするが、日々多角的に児童生徒・保護者に接し、その後の成長の様子を何百人何千人単位で知っている職業って教師以外他にあるだろうか?
就職・進学だけでなく、卒業後の生活の様子なども見聞きすることは教員ならではの体験だろう。キャリアは就職・進学だけの話ではない。次のステップにどのような学びを選択したらよいのか?学びの場は学校の外にも広がっている。教員は地元地域における活動や学習の情報に接することが多いのでデザインしやすいのではないか。
また、社会に出る前の若者に一斉ガイダンスをする機会に恵まれているのも教員である。ハローワークの相談員も一日に相談できる件数は限られている。総合的な学習やLHR・諸行事等を通じて全体に計画的・継続的にガイダンス、さらに個別相談を続けていけるのも「学校」だけではないだろうか?定期的な面談を通してその児童生徒のこと、さらに家庭のこともよく知っているのも教員である。ビジネス界の有名優良企業への就職アドバイスはできないかもしれないが、地元で暮らす児童生徒の発達段階に応じた準備アドバイスができるのは「教員」ではないだろうか?だからこそ教員は広く社会を知ることで最高の支援者になれるということに気がつくべきだ。
②普通高校でキャリア教育が必要な理由
「中学校・高等学校における進路指導に関する総合実態調査」(平成16)等でずっと指摘されてきているが、普通高校では進路指導の評価が極端に低くなっているという事実がある。
「中学校・高等学校における進路指導に関する総合実態調査」(平成16)等でずっと指摘されてきているが、普通高校では進路指導の評価が極端に低くなっているという事実がある。
生涯にわたって学び続ける世の中になり、安定が約束されたコースは無くなった。有名大学を卒業すれば有名企業に就職でき安定した生活が送れるというパイプラインはなくない。こうなってくると出口指導だけではダメだ、多様な価値観を持つ生徒が入学してくる背景から、学ぶ意欲を喚起し学ぶ意義を理解する学習&進路ガイダンスが必要になり、進路プランニングを考え自力航行できる力を付ける必要が出てきている。そしてそれは校内だけではなり立たたなくなってきている。
③進学校にこそキャリア教育が必要な理由
地域を担う次の世代を育てる人材を輩出する学校だからこそ、職業や生き方について考えさせる必要がある。自分だけが成功すればよいという考えでなく、高い市民性を育み人と人が繋がり社会を形成しているという根本を理解できる人材を送り出す義務がある。
地域を担う次の世代を育てる人材を輩出する学校だからこそ、職業や生き方について考えさせる必要がある。自分だけが成功すればよいという考えでなく、高い市民性を育み人と人が繋がり社会を形成しているという根本を理解できる人材を送り出す義務がある。
高い学習能力を持った者はそれはそれで、その能力に見合った、アドバイス・キャリアカウンセリングが必要だ。ガイダンスとカウンセリングが無い学校は学校と言えない。社会を知り、すばらしさや問題点に気づき、学ぶ意義を知り学校で取り組んでいる様々な活動の意義を理解させたい。そして自立に向けて学ぶ姿勢や能力を身につけさせたい。
教員側もプロとして、幅広い指導方法を身につけるべき時代になってきている。幅が広がると生徒を見る目も変わる。卒業していく生徒はグローバル化の進んだめまぐるしく変化する時代に船出していく。既存の方法だけに頼っていては貢献できない。
つづく・・・