シナリオプランニングとシンキングツールの融合で未来を予測
章末に行った
資源エネルギー問題の未来を考える授業
keywordの構造化
文章化までが前回の授業
昨日からのつづき
※ https://geogami.hatenablog.com/entry/64782366
今回は
シナリオ作成
送られて来たカードにかかれていたものは・・・
解答例
結果:「価格上昇」を予測するカードが圧倒的に多かった。
カードの内容を読んでいくと、
一人ひとりの「理解」の仕方が把握出来る。
中には「矛盾」も!
※説明不足・矛盾点あり、には「?」を付けてみました。
提出された資源エネルギーシナリオ:例
「社会」・「技術」・「経済」・「環境」・「政治」といった
要因(ドライビングフォース)は重要と思う順番に並べている。
① 仮説:原油価格は上昇
環境
・肯定要因→資源が少なくなればそれを大切にしようという考えが生まれる。
・否定要因→地球に眠る資源がどんどん無くなってしまう?
技術
・肯定要因→日本の様に高い技術を持つ国が技術を商品として売るようになる。
・否定要因→新エネルギーを取り出す技術が沢山できて石油がいらなくなる。
社会
・肯定要因→みんなが石油をあがめ奉るようになる!
・否定要因→みんな石油に興味が無くなって使うのを止めようと考える。
経済
・肯定要因→石油が少なくなったらそれをお金を沢山出して買おうとする。
・否定要因→全世界経済がとても低迷して物価が全て下がる。
政治
・肯定要因→政治的に強い力を持つ国が資源を優先的に買ってしまう。
・否定要因→政治がめちゃくちゃになって石油どころじゃ無くなる?
② 仮説:原油価格は上昇(需給関係は分かっている様だ)
社会
・肯定要因→発展途上国の生活が今の先進国の様になるから。
・否定要因→新しいエネルギーの使用。
技術
・肯定要因→世界に圧倒的に存在する貧困層は新技術は使えない。
・否定要因→安くて使いやすい新技術(の普及?)。
経済
・肯定要因→発展途上国の経済が発展し市場の拡大。
・否定要因→先進国の石油市場からの離脱。
環境
・肯定要因→石油の減少
・否定要因→技術開発による埋蔵量の増加。
政治
・否定要因→国連やOPECなど国際機関の存在?
③ 仮説:原油価格は下落 (若干の矛盾がある例 ?矛盾)
環境
・肯定要因→温暖化・涸渇の心配 ・・・減 ?
・否定要因→手動の仕事? 減→エネルギー需要 ・・・増
技術
・肯定要因→新エネルギーの開発、省エネ商品 ・・・増
・否定要因→新エネルギーはまだできない。
社会
・肯定要因→機械化ロボット
・否定要因→石油を使わなくなる。?
政治
・肯定要因→結局何もしない ?
・否定要因→世界は動いている ?
経済
・肯定要因→次世代に押しつける ?
・否定要因→どうにかしようとするふりはしている ?
④ 仮説:原油価格は上昇 (ユニークながら若干の矛盾も・・)
環境
・肯定要因→石油には限りがあるので出なくなる。
・否定要因→新たな産出国が出てくるかもしれない。
社会
・肯定要因→水面下で争っている国同士が戦争を起こすと需要は高まる。
・否定要因→話し合いで全ては平和になる?
政治
・肯定要因→西アジア諸国が充分な発展を遂げ
先進国の技術を必要としなくなったら輸出を渋る。
・否定要因→世界で石油に関わる税を統一させて安くする?
技術
・肯定要因→石油の寿命が尽きるまでに新エネルギーが台頭するとは考えにくい。
・否定要因→新エネルギーにより機械が石油を不要とする。
⑤ 仮説:原油価格は上昇 (同一の要素の重複)
社会
・肯定要因→石油産出国が石油の輸出をとめる。
・否定要因→他国やエネルギー資源を新たに発掘。
政治
・肯定要因→石油産出国との関係の老化?
・否定要因→石油の供給体制がより充実
経済
・肯定要因→人口爆発によって一人あたりの供給減少。
・否定要因→石油以外を動力源とするシステムの増加。
技術
・肯定要因→石油を越えるエネルギーは開発途中
・否定要因→バイオエタノールの普及
環境
・肯定要因→石油の産出量限界
・否定要因→新たな資源の誕生
⑥ 仮説:原油価格は上昇(視点が様々)
社会
・肯定要因→石油を使わない生活はできない + 人口増加
・否定要因→石油をあまり使わない精神になる?
技術
・肯定要因→新しく開発されたものは高くて買いにくい?
・否定要因→石油をあまり使わないものが増える。
政治
・肯定要因→石油を巡って戦争がおこる。
・否定要因→話し合いで解決するかも?
経済
・肯定要因→安いものが流通する?
・否定要因→石油を使わない商品を日本が作って世界に売る。
⑦ 仮説:原油価格は上昇(比較的オーソドックス)
環境
・肯定要因→石油の可採年数が減少して石油の価格が高くなる。
・否定要因→新たな産油地が見つかる。
社会
・肯定要因→発展途上国でのエネルギー使用が増え需要大
・否定要因→省エネルギー化の動きガ強くなりエネルギーの需要減
技術
・肯定要因→まだあまり発展していない国の技術力が高まり
エネルギーを使用する国が増えて需要大
・再生可能エネルギーの利用が増えて需要減
政治
・肯定要因→戦争によってエネルギーの需要大
・否定要因→国際的な組織により価格管理
経済
・肯定要因→発展途上国の経済成長により市場拡大。
・否定要因→先進国での市場拡大? 市場→生産?
⑧ 仮説:原油価格は下落(前半は分かりやすい)
技術
・肯定要因→新エネルギー開発
・否定要因→新エネルギーが広まらない
社会
・肯定要因→石油を使う人は悪、良くないという風潮?
・否定要因→石油が無くなることに危機感?
政治
・肯定要因→新エネルギー推奨
・否定要因→石油を使った工業
環境
・肯定要因→石油による地球温暖化?
・否定要因→地球温暖化は実は周期的だ?
経済
・肯定要因→新エネルギーの方が安い
・否定要因→石油需要が増す
⑨ 仮説:原油価格は低下(全体的に説明不足)
社会
・肯定要因→皆が協力
・否定要因→ストレス社会?
経済
・肯定要因→救われる貧困層
・否定要因→格差社会
技術
・肯定要因→自由に暮らせる
・否定要因→過剰な利便性
政治
・肯定要因→みんな仲良く
・否定要因→テポドン?
環境
・肯定要因→基本的にエコ活動
・否定要因→環境問題が軽視される。
⑩ 仮説:原油価格は上昇(政治に視点を当ているが説明不足)
政治
・肯定要因→第三次世界戦争
・否定要因→石油より核
技術
・肯定要因→新技術でもコスト大
・否定要因→コスト減
経済
・肯定要因→中東が新興国のせいで経営難?
・否定要因→競争で下がる。
社会
・肯定要因→石油を使いにくい(税)?
・否定要因→管理される。
環境
・肯定要因→中国が(石炭から)石油にかえる
・否定要因→クリーンだと競争で安く
シンキングツールを利用すると
事象の認知構造を把握しやすい。
金曜と月曜の
合計2時間の授業で実施した。
この後は文章化してシェア
相互評価と何時間もかけて
深めていきたいところだが
現実問題としては
外部模擬試験の範囲をクリアし
(模試でも点が取れないと信頼されない→生徒は不安になる)
最終的には入試における得点保証も考慮すると
この2時間の取り組みでも
全体の時間数からするとかなりの冒険となる。
未来に向けての教材開発と現実の並走、これが現場の真実