高校生と現代の社会
「学校は社会の中の一部であり、学生が将来生きていくのは社会である。」
独立行政法人労働政策研究・研修機構 平成23年
「入職初期のキャリア形成と世代間コミュニケーションに関する調査」によると、
企業が重視する人材は
「指示されたことだけでなく、自ら考え行動することができる人材」
「指示されたことだけでなく、自ら考え行動することができる人材」
ということだ。
この部分については昨日・一昨日とこの日記を読んでいただいた方にはわかりやすいと思われる。
「自ら考え行動する」
「主体性」
この言葉は今、様々な現場で話題になっている。
財団法人日本青年研究所2012年4月「高校生の生活意識と留学に関する調査報告書」によると
「日本の若者は自分を価値ある人間と思ったり、物事に積極的に挑戦したり、人前で意見を言うことが苦手で自己肯定観が低いという指摘もある。」
答えは自分も言いたいのに先生が正しい答えを述べる
それを
じっと黙って前の人の後頭部を眺めながら、
板書をせっせと写し続ける。
そして、次々と出される課題を黙って黙々とすすめる。
こういった
日々の授業で
自分を価値ある人間として・自己肯定観って持てるのか?
進学先の上級学校から
中央教育審議会大学分科会大学教育研究部会平成24年調査「学士課程教育の現状と課題に関するアンケートの概要」によると。
大学の学長、学部長が主体的な学びを確立させるために最も必要な授業として
「学生自ら課題を設定し、解決探求していく授業」を挙げている・・・・
将来のことを考え始めるのは中学・高校時代だ。
京都大学高等教育研究開発推進センター准教授の溝上慎一さんは
「主体的に学ぶ姿勢」、「豊かな対人関係や活動性」、「高い将来の意識」この三つがない者は大学進学後も消極的で4年次になっても半数はそのままの状況だという。
生徒にとって、他者との作業が入ってくる参加型の授業は多様な価値観と出会う「未来に備える学習」になる。
入学後の接続教育としても授業改革の必要性がある。
成熟社会・低成長経済に移行し、
企業からは、0(ゼロ)から1(いち)を創造するクリエイテイブシンキングの力が求められている。
「何もないと思えば何もないが何かあると思えれば何かある。」
もはや新しい仕事は過去からの学びだけでは産み出せない。
幅広く他のメンバーと作業をすすめて協同のプロダクトを出す。
今日の社会での働き方の多くはこのようなスタイルだ。
(教育現場でもこれは同じだ)
ここでは他者とともに学習を進めていく能力が大切。
このような学習を学校時代に体験させておくことは重要なのではないだろうか。
AL(アクティブラーニング)や課題解決型学習(PBL)は多くの大学で推進されており、
学習内容・方法の高大接続は学校と社会とを繋げることにも通じる。
高校卒業生の約8割が上級学校に進むという現実の中で、これも大切なキャリア教育ではないか。
情報機器の発達で知識の入手が安易になった今日、
学習者の「主体性」はますます重要になってきている。
こんな今だからこそ
「学び方を学ぶ機会」が授業にあっても良いと思うのだが。
(つづく)
明日は卒業生からのアンケートについて綴ってみます。