Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

LeaningDesignCommunity 第13回勉強会

学校に向いている組織論とは?
 人が人にサービスを行う「ヒューマンサービス組織」においては
「プロフェッショナリ ズム(専門職制)」や
「ボランティズム(自主性・自立性)」が組織の構成原理として尊重 され
「曖昧さ」を積極的に活用することが効果的。
 (田尾雅夫1995)

  最適な組織は官僚制? 

 初期の考えでは、マックスウェーバー的に
   学校では校務分掌・職階性が重視された。
 米国の「効果のある学校研究」では
 校長の教授的リーダーシップ「Instructional Leadership」が重要視されていた。  初期段階の研究ではその他として
 「基礎的スキル獲得の強調」、
 「秩序だった安定した環境」、
 「生徒の達成に対する高い期待」、
 「生徒の進歩の頻繁な評価」
 といった事項が評価されていた。

  しかし、結局
 1960~70年代米国でのトップダウン型教育組織改革は
 上手くいかなかった。
 ハーバード大社会学者テレンス・ディールと
 経営コンサルタントのアラン・ケネディーは「学校の文化的側面」を
 考慮せず組織構造の改革を進めても成果は上がらないとした。

 ☆学校に入った時に感じる雰囲気、
  教師間の暗黙のコミュニケーションってありますよね。
 (さまざまな学校で研修・講話・公開授業で訪れると感じる空気)

最適解がない→状況に依存しその中から解を生み出す。
・「状況依存理論(Contingency theory)」では
 「効果的な組織はその技術と環境からの要求や必要に、
 その構造を適合させている。」

・安定的でない、不確実性の高い環境下では
 あらかじめ定められた規則では対応できない、 
 意志決定の分散化や環境との公式・非公式な接触
 (情報と資源の入手経路)の多元化が必要だ、
 上下の隔てのないフラットで柔軟な組織構造(同僚性)が必要。

・学校の多義性・多様性の確保と教育の内容と成果予測から、
 考えると
 もっとも大切にしなければいけないのは現場の空気
 例えば「授業の最適解」は「役所」や「書籍」にではなく
 目の前の現場にあるのだということ。

 だから教育技術の改変は官僚制に馴染まない。
 (「上意下達」は現場から乖離しているから)

・統制は必要ないのか?どのくらい緩やかなのが良いのか?

・学校の組織文化として、
 カールウェィクは上意下達的官僚組織より、
 「穏やかな結合 (Loosely coupled)がむしろ効果的」と言っている。
 今、私たちに必要なのは教育を変えようという「指示」ではなく
 「文化」なのだろう。 

・変革的リーダーシップ「Transformational Leadership」とは?
 「取り組んでいる仕事の意味について気づかせる人」

 学校のMissionの明示や
 教育課程・授業プログラムの策定
 改革に対する積極的な学校文化の推進を焦点化した 
 「リーダーシップ」
「取り組んでいる仕事の意味」を見いだす
「リーダー」が必要になっている

 ここでリーダーシップ論
・分散的リーダーシップ「Distributed Leadership」とは?

   先に述べたように
 不確実性の高い環境下では
 あらかじめ定められた規則では対応できない、 
 意志決定の分散化や環境との公式・非公式な接触
 (情報と資源の入手経路)の多元化が必要だ、
 単独のスーパーリーダーに依存するのではなく、
 多くの組織構成員の着想、創造力、技術、イニシアチブを
 動員することで組織変化の能力を高められる。 

 「校長のリーダへシップ」だけに全てを任せる?
  校長のリーダーシップに最初は注目が集まっていた。
 しかし、多様化する現状、めまぐるしく変わる状況への対応
 この現状を見たとき今までの「官僚制」での限界に突き当たる。
 
・「文化の共有」と「チームアプローチ」の時代、
・「力のある学校」ではミドルリーダーや
 若手のリーダーシップの発揮がある、
 「層」としてのリーダーシップが存在し、
 情報や現場の問題を分散共有している。
・このの効果は「子ども達に対する影響」として、
 教師生徒の相互作用、間接的な影響となる。

・「分散的リーダーシップ」に注目がいっているが・・・
・「曖昧さ」を積極的に活用する場合
 「信頼の論理(Logic of Trust)」が根底に必要。
・「信頼」と言うものがリーダーシップの鍵となっている。
 その「信頼」は「専門性」に立脚する。
 つまりお互いが「プロ」として自立していることが前提
・お互いがプロとして認め合う「専門生」を有しながら
 チームとしての「文化」を育てていくこと。
 これが、推進力の源になるだろう。  

・しかし、現状は残念ながら
・近年の流れは「信頼モデル」から「統合・管理モデル」に移行してしまっている。
 外部者の思いつきで
 教員の評価を安易な「テストの点」で決めたり
 分かりやすい「事務処理能力」の速さで決めたりしている。
 我々の取り組んでいる仕事の成果は半期や年度では測れないものも多いのに・・・

・授業においてもそうだが「評価」は「測りたい力」がなんであるのか?
 その、吟味がなされた上で進められるべきだ。

・変化の時代は「文化」を形成できる「専門性」と「同僚性」が鍵
・「プロフェッショナリズム」を高めることで、
 我々が行っている「仕事の意味」をはっきり示すことができる。
 そうすることで
 管理統制や事なかれ主義に陥りやすいクライアント支配からも脱皮できる。

そこではじめたのがLeaningDesignCommunity
・学校に勤める教員には転勤がある。
 せっかく育った「文化」も
 異動によって消えてしまうこともある。
 そこで、お互いの「専門性」を「プロ」として高め合う
 「同僚性」のある組織の必要性を感じた。

・こうして3年前に生まれたのが
 地元の教師による学習会「LeaningDesignCommunity」である。

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 地元で2015年に結成した組織で現在までに13回の研修を進めている。

トランスローカルな動きへ
 上に掲げた理念のもと
 教師の学びの成果をさらに日々の活動に実装するために
 議論を続けている。

 特別な環境でなく
 何処にでもある
 普通の職場で頑張っている実践者を繋ぎ
 アットホームな語らいで
 次のトライに繋げている。

 地方からの学びを
 今後はトランスローカルに繋げたい。
 地道な活動を続けている。

 「曖昧さ」を積極的に活用?(主催者がノリで行っている結果)いつもは「地元の実践者」で適宜集っているこの、LeaningDesignCommunityの活動だが・・・・
 2018年の12月1日(土)には「トランスローカル」な動きとして
 「学びのイノベーションフォーラム」と連動して
 オープンな会の開催も計画中です。