Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

放送大学「発達心理学特論」第5章 より

オープンスクールの代休
しかも部活動の生徒は模試のため
本日は久々の在宅でした(と言っても試験監督表の作成してましたが)
ずっと貯まっていた放送大学のビデオ倍速でざっと受講
その中に「協同学習」の事が書かれていました
その中で関心を持った点について書いてみました
 

発達心理学特論」より

 
10/26のブログでヴィゴツキーの発達の差異近接領域(最近接発達領域)
→ZPD(Zone of proximal development)について記した
 子供は大人の援助や優れた仲間との協同で解決できる「最近接発達領域」があり、
ここに働きかけることによって、
支援が必要だった水準が独力で解決できるようになる
子供の学習についての大人の関わり方として、
他者とのやりとりができるような足場づくり(scaffolding)がある
 子供が自分でできるようになったら足場は減らしていく

仲間との協同は
課題への「動機付け」
「スキルの模倣」
他者に説明することによる「理解の精緻化」
「議論への参加」等の面で有効だ
 
  明治の学制以来、
クラス単位の道徳教育と技能(当事は読書算)とする、
予備→提示→応用の基本的な授業は大きく変わってはいない

 そして「暗記・適用」型の知識重視型教育観がすすんでいった
 しかし、
国際的な学力測定の結果で示されているような「理解・思考」力が低く、
さらに、概念的理解を要する、自分の考え方は示すのは苦手で
記述式の問題に対しての「無答」の割合が諸外国に比べて著しく高いことが問題視されている

つまり「数学の問題は解法を知らなければ考えても仕方がない」
といった子供が多いと言うことだが
これは正解のない時代に移行する中で大きな問題だ

学習観の変容を目指して様々な取り組みも試されてきた
「協同学習」もそのうちの一つだ



 仲間との協同の意義(学力形成において)
①多くの子供が多様なアプローチで解決可能な問題(教師の準備)
②そのような問題に対する個別探求(自分で考える時間をとらせる)
③多様な個別探求と結びつける(協同学習の組織化)
④協同場面やその後の個別探求における自己内対話(応用問題や振り返りの時間をとる)
こうすることによって日本の子供が苦手としている「概念的理解」は深まる。

 藤村・太田は(算数授業は児童の方略をどのように変化させるか
子供の持つ「暗記・適用」型学習観を「理解・思考」型にするには
「共同作業」での既存知識の活用が有効だとしている。
 中三の数学で、理解の表現(アウトプット)
・多様な意味理解=解法
・社会的相互作用を重視し
年間を通じて「協同的探求学習」を年間を通して行ったところ、
最初形式的な説明に終始していた生徒が四ヶ月後には54%の説明を自分の言葉でするようになったという

 日本では問題解決型の授業は多くの教科で導入されてきた、
そこでは、教師との積極的な解法の検討という場面もあるが
残念ながら、一部の生徒だけだったり、
導入の部分だけだったりしているのではないだろうか

 「他者との協同は」教科を問わず概念的理解を深める機会となる。
 「他者との協同は」さらに社会性も育む
  クルーガーとトマセロ(kruger & tomasello 1986)という学者が、
小学生を対象に仲の良い友達とペアを組む場合と母親とペアを組む場合で比較した。
友達とペアを組む場合の方がお互いの考えを関連づけて話し、
皆が納得できる答えを捜す様になったという
 
何となく、感じていたことを
教育心理学者たちは実験によって証明していた!