平成32年(2020年)実施に向けて準備されている。
大学入学共通テストの導入に向けた試行調査(プレテスト)を解いてみました。
大学入学共通テスト平成29年度試行調査_問題、正解表、解答用紙等
地理B
全教科目解答等
印象と気がついた点
※〇付き数字は問題番号です。
作問するのは難しく批判するのはたやすい
まだ試行の段階なので敢えて感想を挙げてみると・・・。
・大問が6から5へ、問いの総数も35問→30問と減った。
・問いに至る序文が長く、質問にたどり着くまでのアプローチが長い。
その割にきいていることが従来の問題と同様程度の問題が多い。
結果的に正答率が高くなっている。
→大問2⑦⑧⑩⑪⑫ 大問4㉒
(文字を減らしてシンプルに図や表で出題意図を伝えたほうが地理らしい)
(文字の読解力で点数に差がついてしまうのはどうなのだろうか?)
・大問2は現地レポート型の様な仕立てはできないだろうか?
(実際作るのは資料の有無・著作権等が絡んで難しいと思うが。)
・発問を練っているが単発の知識だけで解ける発問もみられる。
この様な問題もある程度合っても良いとは思うが。
・逆に特定の用語に対する知識が無いと解けない問題もあり、
知識を直接問う問題ではない様に工夫されていても、
質問に答える前の段階で受験生が淘汰される問いもある。
(例えば⑬「カルトグラム」・㉘「津波避難タワー」・㉚「霞堤」→地域によって呼び方が違う場合がないだろうか?)
※㉘に関しては正しいものを全て選べというのが難しいのでしょうか。
・写真で判断する問題は一般的に試行で受けた受験者の正答率が低い。
⑯リオデジャネイロのシンボル的景観が写っていないので難しいか?
⑳典型的な写真を使っているが意外に正答率が低い。
・地図からその地域がどの様な災害の被害を受けるかを予想する問題はおもしろいし身に付けるべき能力だと思う。→⑥
・典型的な知識をきいているが、
受験生にとっては苦手・難しいところが出題されたのか得点率が低い問題→㉑
・さらに工夫できそうな感じの問題として㉓→これを「カ~ク」の文章で判断させているが地図に示しておいて選ばせても良いかと思った。
・おもしろいと思ったのは大問4㉔の問題 工業化→所得の向上→賃金上昇のストーリーが分かれば解ける。
受験生にとっては選択肢が多く迷うと思うがこれを見つけ出せる者は力があると思う。
・もう一つおもしろいと思ったのは大問5㉕の選択肢「③」午前10時に出発した列車に乗っているとき日差しは列車のどちら側か?というのはおもしろい。用宗駅付近は東南側に山がないから天気が良ければ日差しが注ぐはずで、ライブ感のある選択肢、普段から身の回りの光景を観察している受験生には有利。
・全体的には大きく変わったと言う印象は薄かった。
問題をつくれと言われたら・・・
☆特徴として28番の様に「全て選べ」という選択解答方式が入ると難化する。
判断基準が難しく、多くを知っている場合
「教科書に載っているかいないか」で判断するので、
教科書をしっかり読み込めているか、
扱いが小さい事象も大問として出題されることもあるので
おろそかにはできない。
・地理行列からの分析→比較→問題の発見
・シンキングツールのようなシステム思考に沿った思考力や表現力
・現象や結論からそれを証明するための考え方やデータの選択など
絡められたらおもしろそうだと思うが・・・。