Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

第2回共通テスト 地理B ダイジェスト

ネットの予想では「アフリカ」がでるという噂が立っていたが・・・・

昨日の共通テスト地理Bざっと見渡してみた(私見です)

f:id:Geogami:20220116090655p:plain



印象は? 

データと文章を丁寧に読み込みながら問題で何を聞いているのかをしっかり理解して、地理的知識を活用して解いていく問題が多かった。


コレは「地理」なのかなぁと思う問題も散見されるが
全体としては、
昨年よりだいぶ解きやすくはなっている印象
(昨年はとにかくデータを参集するのが忙しかった)。

 

いわゆる進学校※で平均的な指導を受けていた受験生?
(あくまで想像→明日受験生の声を聴いてみないと分りません)
から見た 問題のレベル 易17 平10 難4
問題を解く時に鍵となる力 思考力 14 技能4 知識13

※授業で地理Bをとっていて
昨今の平均的な受験指導教材を見ていて
全国模試を受けており、かつ、
校内の講習をとっているといった
フツーの受験勉強を進めていたと仮定しての話。

 

昨年度との比較
各大問分野構成は2021年度同じで、
第1問は自然環境・災害、
第2問は産業、
第3問は村落・都市と人口、
第4問は地誌に関する事柄、
第5問は地域調査。でした。
大問5題、設問30・マーク数31と一問減でした。

 

【第1問】世界の自然環境と自然災害

問1 以前北海の海底地形の様子がでているので、マークしていた受験生も多いのでは。 海溝の位置が分っていれば選べる。カリブ海も東南アジアも地震災害のテーマでも目にしているだろう。

問2 セーヌ川ライン川(ここは三角州がある)を間違えないように。ポー川ベネチアとセットで見ているはず。

問3 東アジア~南アジアの河川は最初に学ぶ事項なので取組み安かったのではないだろうか。チベット高原を源流としないチャオプラヤ川は知っていたのに・・・・と残念がっている受験生もいるのでは。気候が分っていれば植生は推測できる。

問4 南半球の1月は夏、気温は内陸ほど年較差が大、降水量は地中海性気候の場所が特定できていれば分るかな(夏乾燥・冬降雨)。

問5 熱帯性低気圧は大陸の東岸、南北緯度15度より高緯度で発達、地震は新期造山帯のアトラス山脈、古期造山帯のドラケンスバーグ山脈が分っていれば解けるか?

問6 西日本は梅雨末期、東日本は台風の来る9月が降水量が多い事が分っていれば解ける。

 

【第2問】資源と産業

問1 石炭と原油の産地はエネルギーの項目で必ず学んでいる、地名よりも位置が大事。

問2 アフリカの人口が増えていることは学んでいるはず。

問3 1人あたりのGDPがヒント、エネルギー資源がとれる国は1人あたりの二酸化炭素排出量が多め。農業や軽工業では所得も低いが二酸化炭素の排出量も多くはない。

問4 水力発電の比率が高い国、ドイツの自然エネルギーも定番。中国やアメリカ合衆国の人口が分っていないと解けない。日本より総人口の多い国は押えておきたい。

問5 森林資源は環境と関連して問題として良く扱われているので初見ではないだろう。国土面積の広さでロシアは想像できる。途上国の薪の利用率は高い事も判断材料。ここでは北米は出なかったが北米の林業も注目させていた。

問6マングローブ林とエビの養殖がサスティンナブルではない事は分るだろう。

 

【第3問】村落・都市と人口

問1  砺波市は2000~2005年をピークに人口が増えていないので③と②で迷う。
    ただし社会増は一定程度あるようだ。「モータリゼーション」対応も地方では現実にニーズがあると思われる。
   

f:id:Geogami:20220116090243j:plain


問2 神奈川県の湘南地区からの出題。交番・駐在所はまんべんなく各地地域に、ゴミ処理施設は住民の反対運動など考えると郊外、市民ホールは街の中心

問3 「ジェントリフィケーション」の理解を問う問題。まず交通網と中心地を確認→低所得地域を確認→低所得地域にも関わらず大学進学者が多いのは不思議な地域だと気づく→家賃も高くなっているのは魅力がある地域なのだろう。

問4 フランス・ドイツ・スペインと繋がりがある地域をきいている。スペイン(マドリード)は南米→パリ(フランス)は地中海を挟んだ対岸のアフリカとの繋がりが深い、ここまでで正解は得られる。おまけ、→フランクフルト(ドイツ)は北米や東アジアとの繋がりで確認。

問5 やや難しい、国全体の人口構成は各年代が平均的に分布しているはずなのでEの統計が国全体のデータ。シンガポール英語圏なのでフィリピンからのメイドの出稼ぎ? ドイツは難民の受入れなどで男女とも若い世代の流入が多い。

問6 多産多死→産業の発達で少産少子という流れが分っていれば解ける。韓国の自然増加率の低迷が韓国社会の厳しさを物語っている。

 

 

【第4問】地誌はまず、ラテンアメリカでした。 

A問1 まず、図に赤道を引いてみると分かりやすい。グラフの降水量が%(割合)なので注意。Eの川はセラード(カンポセラード)を流れるサンフランシスコ川だが知らなくても大丈夫。この地域はやや乾燥気味。

問2 ここも定番水力発電の比率が高い国。アルゼンチンは産油国天然ガスもとれる。自然エネルギーは環境意識の高い中米のコスタリカに注目。

問3 農産物の輸出額(総量)が伸びているので割合が下がっていても生産量は増加している。こういった割合なのか絶対量なのかデータを見極めさせる問題は昨今増えている。

問4 「格差」は現代の諸問題の根幹にあるので今後も出題されるだろう。その原因はどこにあるのか、どうしたらそれを解決できるのか?こういったことも今後考えて欲しい。

B問5 「比較地誌」の問題が復活、南米のチリとニュージーランドのお出まし、寒流による砂漠、フィヨルド、変動帯、気候などはベーシックな知識 

問6  チリは銅鉱の産出国、電気製品に利用されるため工業原料として北米へ、ニュージーランド旧宗主国は西ヨーロッパの英国(西ヨーロッパって呼び方がなんか懐かしい感じがするのは私だけ?)。

 

【第5問】地域調査は久しぶりの北海道 

問1 一応地理的技能を見ている、苫小牧周辺の図1に「湿地」がしっかり示されている事を確認したい。

問2 沿岸流・潮汐という言葉が分ればできるかな。北海道の太平洋側は冬の降雪は少ないはず、とすると運搬される土砂の量は減り海洋の影響が大きくなる。小糸魚川ってすごく流路が変化しているのですね。

問3 グラフの読みと文章読解の問題

問4 苫小牧の地場産業が製紙→石油化学に変わった事を知っている受験生は少ないだろう。難しかったのではないかな。

問5 コレも難しい、全国的に少子高齢化なのでいわゆるニュータウンでは高齢者問題が発生しているが、家族向け社員用住宅はたぶん、配偶者の誰かが会社に勤めている間はそこに住み続けられる訳で住人の年齢層は限定的になる。ここに気がつくのは難。

問6 地図と文章が読めれば解けます。

 

 全国的には、例年並みの得点かなという感じ。

 

 ともあれ「地歴」は「共通テスト」の最初の受験科目、ドキドキハラハラでの受験だったと思います。

 お疲れさまでした !?♡

 

 過去問分析 こちらもどうぞ 
  大学入学共通テスト2021 地理Bの感想(私見)
 第1日程
 https://geogami.hatenablog.com/entry/2021/01/17/134100 
 分析
https://geogami.hatenablog.com/entry/2021/01/26/173000
 

  第二日程。
  https://geogami.hatenablog.com/entry/2021/01/31/183000 

令和7年度 大学入試センター 共通テスト「地理総合サンプル問題」分析
 https://geogami.hatenablog.com/entry/2021/05/31/000000

 

 ※ 2020年 

2020センター試験地理雑感 - Geogami’s blog
  https://geogami.hatenablog.com/entry/2020/01/19/210710


  https://geogami.hatenablog.com/entry/2020/02/24/100000

※ 2019年

 https://geogami.hatenablog.com/entry/64769723 

※ 2018年

 https://geogami.hatenablog.com/entry/64465508

※ 30年度新テスト試行問題

 https://geogami.hatenablog.com/entry/64743166 

※ 29年度試行問題

 https://geogami.hatenablog.com/entry/64433562