Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

平成30年度試行調査大学入学共通テスト(新テスト)地理B

平成30年度試行調査大学入学共通テスト(新テスト)地理Bのざっくりとした感想
先週末、練習試合に行く前、朝の1時間でざっくり解いてみた。
(問題は1ヶ月前にダウンロードしていたのだが解く時間がずっと持てなかった。)

   平成30年度試行調査大学入学共通テスト(新テスト)地理B問題はこちら↓


   
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・全体的な印象と感想
・地理的思考力を問う工夫をしている。
 その為固有の地名や専門用語など
 事前に学習している知識の重要度は下げられている。
・現在のセンター対策に比べて
 さらに地名や専門用語を「ぼかした指導」にしても点が取れそうな印象。
・地理的思考力のエッセンス(核心部分)のみ
 取り出した問いをつくろうとしている。
 ただし、いわゆる過去問の演習などをしている受験生にとっては
 「知識」で解けしてしまう問題も多数散見された。
 合格のためだけに時間を使うのであれば過去問演習を中心とした
 受験指導で対応できるだろう。

・出題形式に関しては、選択肢に「答えがない」場合を想定していた
 前回2017.11月に11 月に実施された
 試行調査(プレテスト)の方がチャレンジ精神が感じられた。

・今回も問題を解くまでに事前に読まなければいけない文章量が多く
 図や資料も多かった。
・「地理」を学んでいなくても、図や統計、問題文の読み取りによって
 ある程度の読解力がある受験生ならば解ける問題もある。

大問ごとの感想
・第1問で今回も自然環境と災害の問題に工夫が見られた。
  地名や固有名詞を知らなくても地理的なものの見方考え方である程度点が取れる。

・第2問に登場している模式図の様なものを使って、
 まずは問題点の構造を理解し
 模式図に当てはまる要素を答えさせる様な問題が
 あっても良いのではないだろうか。
センター試験の過去問や模擬試験で見たことのある内容ではあるが
 比較的新しいトピックスが扱われている。
 受験指導に当たるときにはグラフの見方や読み方についての練習が必要。

・第3問ではテーマに基づいて「展示資料」が示されそれに関する出題が3問、
 特に三つ目の問題は「作成中」の展示資料を検討をするという視点からの質問。

・第4問は太平洋とオセアニアを中心に地形・地勢を問う問題と
 ニュージーランドとカナダの比較地誌。
 前者は地図帳をよく見ていると解きやすく、
 後者は問題文や資料の読解力があれば解ける。

・第5問に関しては地形図の読み取り問題
 特に第2問の埋め立てによる変化に気づくのは難しいだろう。
 (練習で固定されていて動かない神社・記念碑・墓地・寺院などを知っていればOK)
・地域における産業の変化や少子高齢化、女性の社会進出、
 インバウンドに伴う観光産業といった
 実際におこっている身近な社会的事象に関心を持つことの
 重要性を示唆した問題となっていた。

・全体としては前回の思考テストより従来のセンター試験に近くなった印象を持った。
※ 昨年度の29年の分析はこちら