Geogami’s blog

日々の身の回りの出来事を中心に、 キャリア教育・地理教育 アクティブラーニングなどの教育方法 ICT等の話題を綴っています。

FLIT 第1回公開研究会

FLIT 第1回公開研究会「MOOCと反転授業で変わる21世紀の教育」
東京大学大学院情報学環 反転学習社会連携講座
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・進路指導と授業づくりという点で興味がありましたので参加しました。
■内容:ベタ打ちのメモです。
1. 趣旨説明
 『日本におけるMOOCと反転授業』
  山内祐平(東京大学大学院情報学環 准教授 (FLIT併任))
東京大学大学院情報学環 反転学習社会連携講座最初の講座。
・初等中等だけでなく、大学でも利用されるようになってきた。
・状況の整理
・NTTドコモとの協同事業
・①何が反転?
・今までのオンラインだとブレンド型学習の一つ
・学術的に整理していく
・10月11日にJMOOCがたがり春から受講できる。
・②一般の方が反転学習できるようになる。
・1万人の100人が集まってくれて受講してくれればよい。
・③大学の授業での効果?
・日本の大学にフットする方法は
・Flitのウェブサイトにアップしていく予定。
・大規模オープンオンライン講座MOOC
・今までもビデオを提供するのは合った、試験なと学習管理をさらに加えたものになる。終了証もだす。
・9月から同大もMOOC二講座、48393人が受講3756に修了証を出した。9-92歳が受講。東大の全学生より多い受講者数、大学院に来たいという書き込みも。
・京大はLX
・日本の他の大学はJMOOCに参加
・反転学習とは。
・説明型の授業を宿題→応用型を授業で行う。
・オンライン学習プラットフォームで学んできて、空いた時間で一人で学ぶことが難しい応用を授業でアクティブラーニングなど。
・米国の高校ではじまったものだと言われている。
・島根大、基礎物理化学・山梨大、コンピュータネットワーク・早稲田大、インストラクションデザインなど導入済み、評価もだしているが、MOOCに参加していない。
・試験の成績はアップ
・東大はMOOCに参加したが、反転学習をスタートしていない。
2. 講演
 『サンノゼ州立大学におけるMOOCと反転授業の実践』
  Mohammad Qayoumi (サンノゼ州立大学 学長)
・ここ1年半の経験を話してくれる。
・西部最古の公立大、シリコンバレーのど真ん中にある大学
シリコンバレーに人材輩出している。
・現在7000人がこういった形で学んでいる。全学生は約30000人
・語学では全米第二位の評価、など
・技術は繋がりが重要
・どれくらいの人を繋げられるかが肝だ
・学級方式受け身だった→もっと活発になりたい→自己組織型になった。
・技術の進化で指数関数的に動いている。
・技術にはたくさんの能力があるが組織力が追いついていない。
・今は地殻的変動が・・・
ディバイスの数は今や歯ブラシの数より多く広がっている。
・たかが10年くらいで。
・人々は情報へのアクセスを今までにない状況で可能になった。
・「繋がり」これからもっともっと繋がる、20億→今は100億 
 2020年には1000億
・今は0.6%がつながっている→それが100パーセントになったら
・大学はいろいろトライする、いくつかは失敗するかもしれない
・今後高等教育のDNAはかわらないと
・「新しい創造」ができるこれが技術の核心
・占有技術だった時代から、いまは、新しいプラットフォームができて変革がおこる。
・例えば、アマゾン、FB、グーグル、・・・
・ここからはタブレットが主流になる。
・新しいチャンス
・SNS・動画・百億台のディバイスが繋がっている
・シスコ、→インターネットis everything
・MOOCが変革を起こす。
・幼稚園から大学まで繋いで統一して扱えるキャリア人生の全体像を描ける。
・現在の大卒は41歳までに10回は転職する。
・知識の半減期の短縮
・学習エコシステム、社会全体でこれを支える。
サンノゼ州立大学今後の進む道を切り開く
・セキュリティー・ピックデータ・MOOCs・・
・サイバーセキュリティー、はITの技術との裏腹で必要、社会の構成員はある程度セキュリティの知識は必要になっている。ちいさな子供も学ばねばいけない。ITの専門家だけでなく情報科学・心理学・ビジネス・の人材を雇った
ビッグデータ
・伝統的なアルゴリズムでは足りなくなった。
・数年前とは違う膨大な情報量の世の中になった、全人類の歴史よりここ数年間の情報量
・データは「新しい石油」価値を生み出す
・何が欲しいかが分かっている、ピックデータで今後は社会科学人文学が飛躍する。

・予測的解析
・組織のDNAに繋がる。
・産業界ではCIOを入れるようになった(チーフインフォメーションオフィサー)を入れるようになった。
・学習環境において重要な役割・大学の内閣の一員になった
・今まで5-6ポイントしか取れなかった学生のレッスンのデータが一人の学生から
3000ポイント取れる。
・2012年はMOOCの年に、EDX、COUCERA・・・
・みんなシリコンバレー
・最初のMOOCはカーンアカデミーから
・EDXは3-7分の短い動画を見て、質問をする時間をとる。
・ユダシティーはカーンアカデミーと似ていて黒板に各個人授業をしている感覚、自分の解をみつける。「地球の一周は」→「どうして測る。」→「陰を測る」・・と導く
・COUCERAは一流大学と連携している。いろいろな大学のビデオが見られる。学生数は最大。
・ここまでの道のり、最初にMIT Edexにサンノゼ大は入った
・MOOCのソリューションがベストではない、アクティブラーニングをやった方が良い。
・協同学習をする。
・いくつかのパターンを試してみて、動画の見方を観察したり、繰り返したり倍速で見たりする学生の様子を確認したり、二回目三回目と学習して一番難解だったところを教授する。という方法に。三人グループで問題を出したりしてEDEXが始まった
・伝統的な合格率は従来の方法59%合格→落第者にEDEXをしたら1パーセント以外合格。
ブレンド学習と反転学習のセンターオブエクセレンスをつくった。
・この秋から三つの講座をスタート、伝統的な授業は「時間の無駄」
・説明型の授業はいろんな教授・各大学からあつめてくる。
・Udacityとのコラボをすすめる。
・学生として難しいものがあった→代数・統計学・・・・
・単位は取らなくて良い、と言う人で講義は見たいという人がたくさん。1万円くらい
・メンター制度でEメールサポートもしている。困ったときに助けてくれる。
・学生の半分は高校生、貧困地域の学生も集まっている、特に数学で難儀している高校生
・合格率は対面方式より低かった→分かったことは、高校から来た人が家にPCがなかったということが壁、若い生徒はEメールが読めなかった。短いメール、できるだけ短いメッセージとした。
・試験を受ける時も時間をとって受けるというメンタリティーがなかった。夏にオリエンテーションもした。2000名が受講した。
・大学レベルの関数と統計ではMOOCの方が成績が良くなった。
・全世界の学生が参画してきた。
・今後の未来像
・いろいろなオープンモデルに講座を乗っけていきたい
・高校生でもアクセスできるようにしたい
・大学でやることを前どりできる、高校生の時に大学の授業を学んでいるので良いスタートが切れる。
・大学、公共放送・教育研究所から取り込める
インターン、学部生でも研究・・・いろいろなパターンが作れる。
・落ちこぼれも減る
ブレンド学習ができる。MOOCがあるから大学がなくなると言うことではない。
・典型的な18歳だったらいままでよりも早く卒業できる。
・来年はグーグルグラスが一般化
・学生は消費者だけでなく知識の生産者にもなれる。
・認証システムの改善?
電子書籍化できないものを電子化する?
・「ドワリングワ(と言っていた)?」で第二言語を学べる?
・たとえば、グーグルの経営手法、我々が入力している言葉が情報源、いろいろなビジネスモデルが成り立つ。
・教育者にとっては宝の山になる。
・万能薬にはならないが新しいチャンスになる。
・宿題は学生を科目に引きつける手段になる。
・説明型の授業は今や3割、7割はインタラクティブ
・大きな変化が起きる。
・ローマ数字をインド数字に置き換える変革に似ている。(インドの数字は便利)
・革新的なものである。
・制限するのは我々の創造力だけ、迅速に支配的なパラダイムを変革できる。
・技術を有効活用できる。全世界に教育を拡げることができる。

3. 参加者によるグループディスカッション
 むらかみさん
 ナビラさん インドネシアからの留学生
 ビジネスモデルってどうなっているのか。
 動画つくるコツ
・質問したいこと?学生側からの予期しない活用?
インドネシア語の翻訳グループができているという。→ボランティア
・ユダシィティーは難しい問題から導入していく。
4. パネルディスカッション
 『MOOCと連携した反転授業の今後と課題』
  司会:山内祐平
  パネラー:Mohammad Qayoumi
       吉見俊哉東京大学 副学長/大学総合教育研究センター長)
Q・Mohammad Qayoumi(ケーヨミさん)学長に対する質問。
・成功させるための具体的工夫
A・①学生自身のやる気を起こし、積極性を発揮してもらう、なぜ学ぶか、日々の生活にどう役立つか、人生にどう役立つか、
・②技術を駆使する、どこが難儀しているか、どこがうまくいっているか?
Q・予習をしてこない学生はどれくらいいるのか、どうしているか?
Mohammad Qayoumi
・人間は人間いろいろいる。
・ピアプレッシャー(同胞の圧力)教授も絡んでくる。自尊心にも絡んでくる。貢献しないのは良くない、自分も貢献して認めてもらおうと思うか。
・500人のクラスの後ろにいる、ものやる気ないものもすぐ見つかる。
Q・教員の協力をどう得たか?反対した人は?
Mohammad Qayoumi
大学の良さはまちまちだってこと、どの世の中でもそう。個人の果たす教授の力で大学は成り立っている。やる気のある人熱い人を選んだ。他の大学のやっているビデオでやるのは二重立ての教育じやないか?例えばサンデル教授の授業をやらないのは学生からチャンスを奪っていないか?MOOCもモジュールの一つ、反対派が合ってもそれはそれで認める。
Q・日本ではこんなに学生が勉強しないのでは、また学生がアクティブラーニングしないのでは。どれだけこれが現実的なのか?
吉見副学長
・なぜ日本の学生は勉強しないのかを考えるべき。
・就活でも勉強のことは聴かれないし、入り口は難しいが、出口は簡単な日本の大学。
・学年でところてん式でなく一つ一つの科目、科目間の繋がり、カリキュラムの構造化をするべき。簡単に単位は取れないよとしていくべき。勉強しなくても何とかなってしまうから・・・・
・授業がインタラクティブになっていく、日本ではインタラクティブではないが、ずっとこのままでいって、日本の大学教育はどうなってしまう、インタラクティブの中で答えを出していく、中学高校~ずっとそう、知識を使ってクリエイト、できるよう替えていかないと、厳しい。
Q・アクティブラーニングを引き出す教員が必要になるとそうでない教員はどうなる?
Mohammad Qayoumi・学生から成果を引き出すことができないと、社会に出て行って今までの地誌際繋げて答えを出していく、コンピュータがあるから丸暗記の必要はない、今後の学びは情報を引き出し学校・実生活・友人から合成して解を求める。イノベーションに対応してスキルセットを身につける。教授陣もワクワクしないといけない、同じ授業を毎年しているのでは魂が入っていない。
吉見
・講義形式から変化していくのは10-20年かかる先を見ないと本当の結果は見えない。
・段階的に勢多世代が変わっていく。
・今の10代20代の若手人材に力をつけさせていくと言うことが大切。これから先生になっていく人々に力をつけていく。
・チームでやるしかない、一人でやったら疲弊してダメになる、若手人材を活用して。先生の周りでサポートしていくことが必要。今の先生も大切にしながら替えていかないと成功しない。
Q・MOOC等で国境を越えている中で、個々の大学の付加価値はどうやって出すのか。
 どこに違いを出すのか?
Mohammad Qayoumi
・大学の特出は持つべき、同じ音楽があっても演奏家によって違う、見る人によって違うと言うことは忘れてはいけない。いろいろな教科書があるのに、授業は違う。この部分は同意、ここは違うという、都市部・郊外・地方・企業取り巻く環境も違う、各大学違うことは良い。アイデンティティーがあることがよい。みんな同じではつまらない。それではイマジネーションがない。
吉見
・東大より20年前にサンノゼ州立大ができた。東大ができた頃、そのとき新しい日本をつくっていた。新しい仕組みを作っている、ボーダーレス化の中で個性とは何か、と言うことを考え直す必要がある。大学は甲殻類から脊椎動物になるべき。殻の中身を問うべき。外側はどうでも骨の価値・骨の繋がりを見ていく。大学・学部が殻によって閉じている必要があるのか?織られるテキスタルの違い。これからおこる大きな変化の中で個性を発揮する。
今後10-20年続く変革に入っている。先は分からない、我々は挑戦はし続けなければならない。挑戦の連続が大学・教育の未来になっていく。
 

 


私の、感想です
アメリカの大学の事例は先進事例として、技術方法論としては参考にはなる。まず、これが唯一の答えではないという視点を持つことは大切だ。全く同じ事を日本の大学以下・各学校がする必要はない。変革の時、どの方向に進んでいったらよいのか、迷っている、追いつくことと生み出すことは違う。欧米型の文化でつくられたシステムと日本の文化でつくられた教育のシステムは、違って良い。教育の成果はもっと長いスパンで語られるべきだし、チームワークで紡ぎ出すものだと思うので、効率だけでは語れない。(米国は時に自分たちの価値観を教育システムという形で輸出することがあるので、そこは見ておかないと。)
知識・技能の伝授という点では学ぶべきことはたくさんある。しかし、チームワークやお互いを尊重する日本の良さを生かせる「価値観」の学びの目標をゴールとするような、「ブレンド学習」の学習システムを目指すことができなものか、答えを作り上げるのは難しいのだけれど。